長時間の睡眠はダメなの?過眠が及ぼす影響とメリット・デメリット

熟睡する女性

皆さんは毎日何時間くらい睡眠をとっていますか。

睡眠時間が短いと、昼間に眠くなって勉強や仕事に集中しづらくなり、労働生産性を大きく落としてしまいます。中には授業中や会議中に居眠りをしてしまったり、電車の駅を乗り過ごしてしまったりするなどの経験をされた方もいるかもしれません。

一方で、睡眠不足解消や寝不足を恐れるあまり、長すぎる睡眠をとってしまい、かえって体の不調を感じてしまうことも……。
睡眠時間には適切な時間とサイクルがあり、長すぎる睡眠時間はさまざまな悪影響を及ぼすことが知られています。

この記事では長時間睡眠や過眠のリスク、そのメリットとデメリットについてご紹介します。

長時間の睡眠は病気なのか?

眠る母と子供

睡眠の構造から、長時間睡眠について詳しく見ていきましょう。

睡眠の構造

睡眠の状態にはレム睡眠と、より眠りの深いノンレム睡眠の2種類に大きく分けられ、ノンレム睡眠も脳波の活動状態によりI~IVの4ステージに分けられます。

ステージがIからIVへと進むにつれて眠りは深くなり、成人では入眠から起床の間に、レム睡眠とノンレム睡眠の間を90~110分の周期で数回反復しています。レム睡眠時は覚醒時とほぼ同じくらいのエネルギー消費を行っており、この期間中に覚醒すると夢の内容もよく覚えているそうです。

年齢で変わる適切な睡眠時間

適切な睡眠時間には個人差もありますが年齢によって大きく変化し、18歳以上の成人で7~9時間に対し、14~17歳で8~10時間と、若くなるほど長くなり、新生児では14~17時間となります。

過眠症は睡眠障害のひとつ

適切な睡眠時間は成人で7~9時間ですが、十分な睡眠をとっているにも関わらず、寝不足の状態が解消できない睡眠障害を過眠障害といいます。

1日の大半を寝て過ごす人も

この過眠障害よりもさらに睡眠時間を必要とするものがロングスリーパーです。医学的な症状として、定義するかどうか現在研究・検討中とされていますが、毎日12時間の睡眠をとったり、夜に10時間の睡眠と日中に6時間の昼寝をとったりするケースなどが報告されています。

体調なども影響する

過眠障害の原因には遺伝的要因もありますが、その他の二次的な要因で引き起こされるケースもあります。

さまざまな要因で起こる

日常の生活の中で過度のストレスにさらされている場合や、生活習慣が乱れている、アルコールの摂取や自律神経の乱れなどによって夜間の睡眠の質が落ちていることが挙げられます。

また、薬の副作用、脳障害、うつ病などの精神障害、肥満、生活習慣病などによっても引き起こされる可能性があり、睡眠時無呼吸症候群という病気がある場合もあるので要注意です。

加齢と長時間睡眠

適正睡眠時間は加齢によって変化しますが、睡眠の内容も変化します。

男性の場合は特に顕著で、中高年の男性はノンレム睡眠のステージIVはほとんど観察されず、深い眠りにつけていないそうです。男性の高齢者は女性に比べて昼寝をする人が多く見られますが、このような加齢による睡眠の質の変化によるものではないかとされています。

過眠=寝すぎが身体に及ぼすコト5つのコト

よく寝ることはいいことのような気がしますが、過眠が身体に悪影響を及ぼすことがあるので注意してください。

頭痛の原因に!

睡眠時の副交感神経の働きにより血管が拡張し、脳の血流が変化します。
この血管の拡張で頭痛が起こり、寝すぎが起こると、この頭痛が著明になります。

気分が落ち込む?

覚醒時の脳の働きが落ち、生活リズムの不安定に伴うストレスからうつ状態を起こす引き金に。
寝不足でもストレスからうつ状態になりますが、過眠でもうつの原因になります。

早死のリスクにつながる

過眠はさまざまな要因によって引き起こされますが、心臓や脳血管などに負荷をかける場合があるだけでなく、糖尿病に関与することも。
これらの疾病により早死にのリスクが高まるとされています。

腰痛の悪化

睡眠時の姿勢は脊椎に負担を掛けるため、長時間の睡眠が腰痛を誘発し、悪化させる原因となります。
寝る姿勢や寝具によって緩和できるので、腰痛の傾向がある方は寝具や寝姿勢の見直しがおすすめです。

脳機能が低下する

ロンドン大学の調査では、睡眠が長すぎると脳機能に悪影響を与えて、実年齢よりも大幅に老化することが報告されています。認知症へのリスクも気になるポイントです。

この研究では、6時間未満または8時間以上の睡眠時間についてその悪影響が指摘されていますが、過剰睡眠が有害である理由については不明とされています。

長時間の睡眠がもたらすメリットとは?

寝ているパンダ

長時間の睡眠を取ることは悪いことばかりではありません。睡眠を長く取ったり、眠り方を工夫したりすると日中のパフォーマンスが向上するとされています。

ここでは、長時間睡眠が身体に及ぼすメリットについて見ていきましょう。

睡眠負債の解消に!

睡眠不足が続くと、それがわずかな量であってもいずれ大きな悪影響を及ぼします。

ホルモンバランス崩れる、代謝が不十分となるだけでなく、さらに重篤な疾患の原因となる場合もあります。睡眠不足の蓄積である睡眠負債の解消のため、時折長時間睡眠を行うことは有効です。

ホドホドなら昼寝もOK?

体がもつ生体周期により、午後2~3時頃は自然と眠気が起こります。この眠気は生産性を下げてしまうので、10~15分程度の昼寝は作業効率改善に効果的です。

分割睡眠で睡眠効率改善

睡眠パターンも人により異なります。
一回の長時間睡眠ではなく、数回に分けて睡眠をとると睡眠の質を上げられる可能性があります。

短時間睡眠と長時間睡眠、どちらが良いの?

短時間睡眠と長時間睡眠。どちらが身体にいいのでしょうか?

ショートスリーパーとは

ショートスリーパーとは、一日4~5時間程度の睡眠でも十分に活動ができる症状のこと。

不眠症とは異なり、日中の行動にも影響が出ません。日々の活動時間を長くとれるメリットはありますが、高血圧や脳梗塞などのリスクが高まるとされていて、健康管理には厳重な注意が必要です。

ロングスリーパーとは

一日10時間以上の睡眠を必要とする症状のこと。

一日の活動時間が制限される以外にも、急激な眠気に襲われるなど、生活に支障が出る可能性があります。

睡眠は時間よりも質が重要!

睡眠サイクルを固定し、起床時には太陽の光を浴びる、睡眠前に入浴し深部体温を調節する、深酒をしないなど良質な睡眠をとる方法が効果的。質の良い睡眠をとる方法や睡眠環境を正しく理解すると、同じ時間でも睡眠効果は高まります。

睡眠環境について詳しく知りたい方へ

適切な室内の気温によって体温が安定し、適度な明るさや騒音レベルに気をつけると、より質の高い睡眠ができます。

こちらの記事では、室内環境や寝具の状態などについて、良質な睡眠を得るために必要なことについてご紹介しています。是非、合わせてご参照ください。
睡眠の質を向上するメリットと改善に必要な環境とは
寝相が悪い原因は睡眠環境の寝苦しさから?対策方法と病気の可能性

自分にあった睡眠時間を!

睡眠には代謝による疲労の回復と成長、脳内活動による記憶の整理統合、ストレスの解消などさまざまな効果があります。最適な時間で良質の睡眠を取ると、これらの効果を最大限に発揮し、より健康で快適な毎日を送ることも可能です。

睡眠時間には遺伝による影響も多く、短時間睡眠、長時間睡眠のいずれの場合も個人ごとに適正な睡眠時間があります。また遺伝ではない二次的な要因で長時間睡眠を必要とするケースもあるので注意してください。

もし二次的な要因に思い当たることがある場合には、睡眠外来などの専門家である医師に相談する方法もオススメです。ご自分の体質に合わせた睡眠をとると、代謝や精神活動が安定し、日中の生産性も向上させることもできますよ。

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