睡眠時間や睡眠のとり方によって、頭痛が起こるのをご存じでしょうか?頭痛といっても種類があり、誤った対処法を実践すると頭痛がひどくなった……、ということもあります。では、眠りによって頭痛が起きるときに、私たちの体で何が起きているのでしょう?
この記事では、睡眠と頭痛の関係を探り、症状別に頭痛の解消につながるいくつかの方法をご紹介していきます。
睡眠によって起こる頭痛
睡眠のとり方が原因で頭痛が起こる可能性があります。そして、睡眠によって起こる頭痛は、症状別に原因が異なることも事実です。
緊張型頭痛の症状と原因
寝返りをせず、同じ寝姿勢を続けたことによる血行不良で、首や肩の筋肉が強張ってしまうために起こるのが緊張型頭痛の特徴。後頭部を締め付けられたような強い痛みが襲い、それが頭全体の筋膜の緊張を作り出しています。
片頭痛の症状と原因
片頭痛の予兆として眠気に襲われることがあります。幾度となくあくびを頻発する、やる気が起こらない、首がこる、光・音に過敏になるなどの症状が起こることも。その後、数時間から2日ほどで片頭痛を起こすことから、こうした症状は片頭痛の予兆と呼ばれています。
寝すぎても頭痛が起こる
寝すぎが原因で頭痛を起こすこともあります。ここでいう「寝すぎ」というのは、「自分にとって」という意味。日本人の睡眠時間は6~8時間が平均的であるとされているのですが、個々の生活サイクルによって適正な睡眠時間は異なります。
例えば、普段から9時間睡眠の人は、一般的な平均睡眠時間と比べると寝すぎと捉えられるかもしれません。ですが、この人が9時間でも寝不足だと感じている場合には、寝すぎにはならないということ。ここでは、寝すぎたことが原因で頭痛が起きている可能性がある人の、頭痛を解消するために知って起きたいメカニズムをご紹介します。
寝すぎて頭痛が起こるメカニズム
寝すぎによって起こる頭痛は、片頭痛の可能性があります。明確に解明されていないものの、頭蓋骨の下にある血管が炎症を起こして膨らむために頭痛になるのではないか、と考えられています。片頭痛は特に20~40代の女性に多いことから、女性ホルモンが関係しているのではないかとの見方が有力です。
寝すぎてしまう病気がある
寝すぎてしまう病気は、過眠症に分類される疾患があります。それらは「ナルコレプシー」「特発性過眠症」「反復性過眠症」と、症状別に区別されています。どれも共通しているのは、夜中に睡眠をとっているのに、日中に眠たくなるという点です。
「ナルコレプシー」は、10代で発症することが多いのが特徴。自分でも制御できない眠りに突如として襲われ、体の力が一気に抜けるように睡眠モードに入ってしまいます。「そろそろ眠気がきたな」という心の準備ができない症状なので、目が覚めた時に、なぜか周囲の人から不真面目な人だと誤解されることもあるといいます。気絶するように眠ることがあるナルコレプシーは、会話している時にも表情筋に力が入らなくなり、無表情になったりもします。自分ではなかなか気づきにくいことも多い症状です。
「特発性過眠症」は、10~20代で発症することが多い症状です。日中に1時間以上昼寝をしても、目覚めがスッキリ晴れやかになることはなく、眠気が持続します。ナルコレプシーに比べて睡眠時間が長いことが多く、夜間の睡眠時間も10時間以上と、長時間にわたり睡眠時間を要する疾患です。
「反復性過眠症」は、稀な症状ではありますが、強い眠気に襲われます。眠気は3日から3週間ほど持続するものの、気がついた時には自然と回復して症状がなくなっているのも特徴のひとつです。このように、眠たい時期と回復期が不定期に繰り返されることから、この名前がつきました。発症する患者のほとんどが10代で、男性が比較的多い疾患です。
睡眠による頭痛の解消法4選
睡眠のとり方が原因で起こる頭痛を解消するには、頭痛のタイプ別に対処方法があります。
片頭痛は冷やす
片頭痛を起こしているときは、血管を拡張させるようなことをしないようにすると覚えていくといいでしょう。運動や入浴、マッサージなど、血行が良くなることはNGです。代わりに、片頭痛を起こしている部分を冷やして音が静かな場所で休むと痛みが緩和するとされています。
片頭痛とカフェインの効果
カフェインは一定量を摂取すると血管収集作用によって、興奮を誘う効果が認められる物質です。片頭痛では、チョコレートやココア、コーヒーなどを摂ると、一時的に症状を和らげる効果が期待できます。ただし、摂取する時間帯は調整しなければいけません。睡眠の疾患がきっかけで片頭痛が起きているならば、カフェインによって眠りたい時間に寝られないということも起きるからです。
緊張型頭痛は筋肉をほぐす
緊張型頭痛の方には、首回りのストレッチが有効です。左側面の首筋を伸ばす時は、首を右に倒し、右手で首を倒すのを手伝います。右側面の首筋を伸ばす時は、その逆を行います。また、左・右と交互に首を旋回させる、右回り・左回りと首を一周させるのも、凝りを緩和させて緊張型頭痛を和らげるために効果的です。
緊張型頭痛にマッサージを
首のマッサージを行って、緊張型頭痛を解消しましょう。首の後ろから骨の両側の筋をぐっと指圧します。とくに、頭と首の骨を繋ぐ関節部分が凝っている場合が多くなっています。指圧棒やマッサージ器具などを使って、ゆっくり心地よいと感じるようなマッサージしましょう。
快適な朝を迎えよう
寝すぎて頭が痛い、目が冴えるどころか頭がボーッとして体調が振るわないことは誰でもあること。頭痛薬として市販されている医薬品もありますが、常時服用するのは避けたいものです。根本原因を見直して、自分に合った睡眠時間を見つけて、睡眠による頭痛を解消していきましょう。